「三島屋変調百物語 拾之続」
久しぶりの三島屋シリーズ。 主人公が、おちかさんから富次郎さんに
変わった時も驚きましたが、今回も大きく話が動きました。
後半になると、話にグイグイ引き込まれ、ページをめくる手が止まらなくなります。
読了後は「どうしてこんなことに・・・」「なぜ簡単に幸せになれないのか・・・」と
思ってしまいますが、今の自分を顧みて「そうだよな・・・」とシミジミ。
富次郎さんは、次男で独身。もし富次郎さんがおちかさんと結婚していて、二人の間に
お子さんがいたら、富次郎さんの選択も変わっていたでしょう。
富次郎さんの選んだ道が、これからどうなるのか、次巻を待ちたいと思います。
このシリーズは嬉しいことに長く続くのかも・・・。
最初の「おそろし」を読んでから、もう10年以上経っているので、
もう一度「おそろし」から読み直したくなりました。
挿絵もきれいで、物語の助けになっています。
途中で「長い」と感じたら、第二話から読み始めてもいいかもしれません。
今年のお盆は、この本を読んだことと、自分が内向的な人間(無理をして外交的に振舞っても、
ただストレスが溜まるだけだということ)をしっかり認識できて良かったです。
自分のドロドロとした部分を見て見ぬふりをしてきましたが、池の淵に立って、そっと
覗き込むことができるようになった気がします。