(著者名 ジェーン・スー 署名「へこたれてなんかいられない」 出版社中央公論新社
出版年 2025年1月25日)を拝読しての感想です。
「流れになったら」の章を読んで
歯科治療のお話です。
長年通い信頼していた歯科医院のはずが、インプラント治療では全くダメだった・・・と言うお話。
私も定期健診で通っている歯科医院があります。
以前通っていた歯医者さんも良かったのですが「定期健診のお知らせが来たら予約を取って行く」
システムがどうにも面倒に感じていました。
結局職場に近い今の歯科医院にかかりつけ医を変えたのですが、
理由は、その新しい歯科医院の前を先生自ら掃除をされていたから。
「何だかいいかも・・・」と思って、そこに変え、結果は大正解でした。
説明は丁寧でほがらか、そして全く痛くない。
通える限りは、ずっとここにお願いしたいと思っています。
ジェーン・スーさんさんも、そんな信頼できる歯医者さんに通っていたはずが、
インプラント治療を始めたとたんにミス続き。ショックですよね・・・。
今までが良かっただけに、裏切られた・・・とがっかりしてしまうと思います。
新しい歯科医を見つけ、その先生が自分のせいでない失敗を謝罪し
説明してくださる真摯な姿を見て、ジェーン・スーさんは
失敗は恐ろしい。しかし失敗の後ごまかさず、かかわった範囲で責任をとることが
できれば、大体のことはなんとかなる。(P193)
と書かれています。
失敗したくないけど、人間だもの失敗はする。そのときに自分の非を認め、謝罪して誠心誠意対応する。
「ごまかせるなら・・・」と思ってしまう弱い自分に、しっかり言い聞かせたいと思っています。
周囲にはバレていますもんね・・。気をつけます。
「街と人生」の章を読んで
「家族の構成パターンごとに住みやすさは異なる」
とジェーン・スーさんは書かれています。
子育てをするために、今のマンションを30年前に購入し、子育ては終わり、子供たちは独立し、
今は夫婦二人暮らし。
やがては高齢独居女性の私の一人暮らしになるのでしょう。
「問題は高齢になってからも住みやすそうな街が思い浮かばないこと」
確かに今57歳の私が考えても、80歳の自分が何に困り・何を求めているのかは、わかりません。
叶うなら、自動運転が可能な車が欲しい。全てが自動で「〇〇に行きたい」と言えば、安全にドアを開け、
自動で走り出し、駐車までを全て車が判断してやってくれる。
降車時も、隣の車などに当たらないようにドアの開閉角度を固定してくれる。
そんな車ができたら、少々高くても買うでしょう。そしてもっと気軽に出かけて行くでしょう。
我が家から、近くの駅までは徒歩3分です。電車に乗るのも歩くのも好きです。
でも自分で運転して、好きな時間に好きなだけ出かけることができる車は大事な相棒です。
旅先でもレンタカーだからこそ、行ってみようと思う場所があります。
頭のいい方にお願いです。高齢者でも安全に乗れる車をぜひ作ってください。
高齢者でも安全に乗れるということは、中高年でも安全に乗れるということ。
発売されたら、私もすぐに買い換えます。
「いざ、休暇スイッチ」の章を読んで
佐賀県の和多屋別荘が紹介されています。福岡に住んでいるので嬉野温泉には何度か行ったことがあります。
でも嬉野温泉が日本三大美肌の湯とは知りませんでした。
ジェーン・スーさんが、この本で紹介してくれなかったら、近すぎるが故に、また行こうとは思いませんでした。
「佐賀に泊まる」ことも考えたことがなかったので、予定を立ててみたいと思っています。
読んだ本に触発されて行く場所ってありますよね。
お名前を失念してしまったのですが、長崎出身の女性の方のエッセイを読んで、
博多から長崎行きの新幹線に乗ったことがあります。
武雄温泉駅で乗り換えて、長崎駅に着き、改札を出る前にホームの端まで行き、ホームから海を見ました。
目的が「新幹線に乗り、ホームの端から海を見る」「吉宗と四海楼で食事」だったので、
後はグーグルマップを頼りに山に登ったり、県庁の展望台から海を眺めたり。
最後は案の定体力が尽きて、結構長い時間 長崎駅で座って新幹線を待っていました。
長崎は坂の街とわかっていたのですが、いつもの5本指ソックスではない普通の靴下を
履いていってしまい、足の裏の皮を広範囲に破くという失敗もしました。
もう「体力の限界まで動き回る」旅ができなくなり、泊まるホテルも大事なポイントに
なってきたと思います。できれば、気が向かなかったら部屋で半日くらい ゆっくりしてもいいな
と思えるようなホテルを選びたいと・・・。
「神様の鉄拳」の章を読んで
健康で無理が効くはずだったのに、頑張れない。ちょっと食べ過ぎただけ、ちょっと寝不足なだけで
体調を崩す。なのに、私の体重は増えていく。
私より5歳若いジェーン・スーさんが、体調不良を感じるのなら、私が上記のように感じるのは当たり前。
周囲でも、同様の話や病気の話を聞くようになりました。
私の職場は「きついね~」とか「眠たい・・・」などと、お互いに愚痴が言える互助会みたいな職場です。
それが本当にありがたいです。
どうしても避けて通れない大変な時期をお互いに乗り越え、みんなで歳をとって行く。
ずっとみんなで一緒に働き続けることができたら・・・いいのですが。
最後に
「さみしさを感じたら」「心が大怪我をする前に」の章は、考えさせられました。
平日は、ほぼ仕事しかしていない。休日は夫婦で在宅し、用事がない限り出かけず、
お互い部屋にこもって、それぞれ好きなことをしている(テレビやネットを見ているだけ)。
平日に働くために、休日に体を休めているような生活パターンです。
ちょっと前までは、友達とランチや買い物に出かけていたのに、最近は行かなくなりました。
もしかしたら「さみしい」と感じるにも体力や気力が必要なのかもしれません。
休日でも、家事というやらなくてはいけないことがある。
好きなYou Tubeさんが「食事にかかる一連の作業(買い物・調理・食事・片付け)に、
一日の結構な時間が取られている」と言われていましたが、ホントにそうですよ。

